阿川弘之氏の作品のご紹介

2018年03月21日

興味深い書籍を紹介します。

題名は「私のソロモン紀行」で、有名な阿川弘之氏の作品。昭和43年中公論社から発刊されたもので、この本は大東亜戦争時の昭和18年4月に将旗をラバウルに進めた山本五十六・連合艦隊司令長官が前線視察のため一式陸攻に搭乗し、6機の零戦に守られてラバウルを後にし、第1線基地ブーゲンビルのブインに到着寸前、長官の視察日程を傍受してガダルカナル島から発進し待ち受けていた米軍機に撃墜され、炎上した一式゚陸攻はブインのジャングルの中に墜落。

長官他搭乗員全員が戦死した悲劇の場所を是非とも訪ねたいと作家・阿川氏が強く望み、実際に現地を訪ね、その際の苦労話が書かれているものです。

まず同氏はラバウルを訪ね、その後ブーゲンビルのブインに飛び、戦後、長官機捜索に参加して墜落した長官機を発見、遺体処理にあたった将兵から実際に聴取した当該場所を現地人と共に訪ね、その後ガダルカナル・ホニアラを訪れたこと 並びに当時、限られた飛行機の便数の中で目的地へ行くまでが大変であった模様が生き生きと描写されています。

また昭和40年代の南太平洋の島々の模様が良く分り、現在の当該地域を知っている人たちが、当時と現在を比較して読むと興味深い比較を楽しむことができます。

実は私(高濱)も、阿川氏同様、ラバウルを訪ねたことがあり、山本長官の宿舎があった官邸山、長官が視察前に打ち合わせを行ったと言われる山本バンカー、長官を乗せた一式陸攻が飛び立った東飛行場(兵どもが夢のあと)を訪ね当時の状況に思いを馳せたことを思い出します。そのほか日本の兵器や日本海軍の大発数隻(本物)等がトンネルの中に保存されていたのを見学しましたが、かかる歴史が今も残されているかどうか・・・・。残してあることを願いたいものです。

写真は、前線基地ラバウルの指揮所前に立つ武人・山本五十六長官と阿川弘之氏の著書です。

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