ソロモン概要

正式国名 ソロモン諸島(Solomon Islands)
面積 2万8,900平方キロメートル(岩手県の約2倍)
人口 549,598人(2012年、世界銀行)
首都 ホニアラ(Honiara)
民族 メラネシア系(約94%)、その他ポリネシア系、ミクロネシア系、ヨーロッパ系、中国系
主要言語 英語(公用語)の他、ビジン英語(共通語)を使用
宗教 キリスト教が人口の95%以上
政体 立憲君主制
1人当りGNI 1,130米ドル(2012年、世界銀行)
GDP 10億米ドル(2012年、世界銀行)
通貨 ソロモン・ドル(SI$)
電話の国番号 (677)+(相手先の番号)
略史》
1568年
1893年
1900年
1942年
1943年
1976年
1978年
スペイン人メンダナ、サンタ・イザベル島に来航
英国、南ソロモン諸島領有を宣言
英国、独より北ソロモン諸島を取得
日本軍、ソロモン諸島を一時占有
激戦の末(戦死者約2万人)米軍に奪取され、日本軍撤退(1950年まで米軍が駐留)
「ソロモン諸島」として自治政府樹立
7月7日 英国から独立



ソロモン諸島は南西太平洋上オーストラリアの北東1,800kmのところに位置しパプア・ニューギニアの南東、パヌアツの西に浮かぶ大小約1,000を数える島から成る群島国家で行政上は9つの州に分かれている。中心は東経155~170度、南緯5~12度にあるガダルカナル島で、首都ホニアラは島の北側中央やや西寄りにある。ホニアラには約5万人が生活しており、これは全人口46万人の約11%にあたる。ホニアラは現在の言葉で「南東風の吹くところ」という意味。


ソロモン諸島


ソロモン諸島の土地面積は29、785万平方kmで、これはフィジー諸島の1.6倍。日本で例えると四国の1.6倍程度の大きさになる。主島のガダルカナルの面積は5,336平方kmで、これは愛知県や千葉県よりほんの少し大きい。実際に住民が生活している島の数は約350で、その中で最大の島がガダルカナル(首都ホニアラ)で次いでマライタ、ニュージョージア、サンタ・イサベル、サン・クリストバル、チョイスルと続く。

ガダルカナル島は、第2次世界大戦中に日本軍と米軍が激突した島であり、いたるところに日本軍や米軍の残した兵器が今も放置されたままになっている。

南太平洋諸島の中でもソロモンは日本に知られていない国の一つであり、それだけに自然が手付かずで残された、まさに最後の秘境とも言える。

ソロモン諸島の最高峰はマカラコンブル山で標高2,447m、その北側にポポマナソー山2,330mがあり、次いで1,900m級のタツブ山とカイウチ山で、いずれもガダルカナル島にある。ほかにはニュー・ジョージア諸島のコロンパンガラ島に標高1,770mのベベ山がある。ソロモン諸島の島々は一般に熱帯雨林に覆われた低い島が多いが、火山列島でもあり、地震が多いことで知られている。

地理

ソロモン諸島は、北西に位置するパフア・ニューギニア領ブーゲンビル島から南東約1,670kmにかけて6つの大きな島と約1、000に達する小島が2列に並んでおり、最西端のショートランド諸島はパフア・ニューギニア領ブーゲンビル島とわずか9kmしか離れていない。南東にはヴァヌアツの島々が続いている。主要6島はいずれも幅が24~56km、長さが92~181kmで、北側にチョイスル島、サンタ・イザベル島、マライタ島、南側にニュー・ジョージア島、ガダルカナル島、サン・クリストバル島が北東から南西に向けて並んでいる。土地面積は29、785平方km、そして排他的経済水域は南太平洋では3番目に大きい135万平方kmにもなる。

気候

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ソロモン諸島の気候は1年を通して高温多湿。
首都ホニアラの気温は沿岸部の平均で最高が32℃、最低が21℃だが、内陸部に入ると最高気温は35℃まで上がる。
降水量は3月が最高で430mm、8月が最低で約100mm。5月の終わりから12月の初めにかけては比較的雨が少ない。1月から4月の初めまでは雨季となるが短時間に激しく降るのが特徴。特にホニアラでは年平均雨量2,800mmで1日の日照時間は平均7時間。
日の出は朝6時、日没は午後6時30分。
ホニアラを観光で訪れるには雨が少ない7~9月がよく、南東からの貿易風が比較的過ごし易くしてくれる。
サイクロンと呼ばれるハリケーンは11月から翌年1月までの間に来襲するが、その多くは南へ移動するので実害は少ない。

政治

ソロモン諸島国は、先述のとおり、1978年7月7日コモンウエルス(英連邦)に属する立憲君主国として独立。議会は一院制で議席数50、議員の任期は4年、英女王により承認された総督の下、首相は議会内選挙によって選ばれる。ソロモン政府の最大の課題は、経済開発、経済改革の推進、部族間問題の処理。外交的には英国、オーストラリアとの関係が緊密で、南太平洋諸国との連帯を重視。非常に親日的であり、日本への期待は大きい。軍隊は持たず南太平洋非核条約に加盟している。その他国連を始めとして、多くの国際機関のメンバーである。

経済

ソロモン経済は水産業、林業、農業の一次産品(木材、魚介類、パーム油、コプラ)で、これらが輸出総額の約8割を占める。近年はこれらに加えて、肉牛やココア、スパイスなどにも力を入れている。また、ボーキサイト、金、鋼、マンガン、ニッケルなどの鉱物資源が確認されているが、開発は遅れている。ただ、国民の75%は農業と漁業に従事する典型的な自給経済であり、15~54歳の人口のうち、フルタイムで就業している人口は20%にも満たない。いずれにしても、一次産品の国際価格下落の影響をうけて国際収支の赤字が続き、2000年の部族対立の影響により赤字財政が続いたが2002年以後治安の回復と共に徐々にではあるが経済回復の動きがでてきており、2004年には経済収支上黒字をうみだした。

●土地の所有権
土地はソロモンの伝統的な方法によって複雑に分有されている。一般には氏族・部族の共同体単位での所有という形式が多い。正式に登記されているものは全体の12%ほどで、88%は慣習的に所有されている。なお1977年に土地所有権法に修正条項が追加され、外国人が開発のために土地を使用する場合、政府から最高で75年の定期借地ができるようになった。

人口と人々

2004年の世銀の調査によると、ソロモンの総人口は46万人、その約94%がメラネシア系、4%がポリネシア系、残り2%がミクロネシア系、アジア系、ヨーロッパ系である。ミクロネシア系の中には英国の統治時代にキリバスから移住してきた人々が多い。

ソロモンは南太平洋諸島国の中では国土面積は第2位、人口は3番目に多く、人口密度は1平方km当たり14人で、パプア・ニューギニアの10人に次いで低い。ただ、人口の増加率は1990年から1998年の平均で年3.3%と高く、さらに首都ホニアラ及びマライタ島の人口は毎年7%ほど増加しており、社会問題となっている。

教育制度は、初等教育が6年、中高等教育6年(中等教育3年、高等教育2年、大学準備学年2年)で義務教育制度はない。初等教育から中等教育への進学率は約10%、高等教育はフィジーにある南太平洋大学のソロモン校がある。その他ソロモン諸島高等専門学校等がある。また、毎年数百人がフィジーやパプア・ニューギニアの大学に進学するが、卒業してもソロモンには彼らを受け入れる企業がないのが悩みとなっている。成人の識字率は1995年の調査で62%、太平洋諸島国のなかで最も低い。

社会と文化

ソロモン社会の特徴は最小単位となる集落の数が多いことである。自給生活者数は約31万で約4,000の集落があり、単純に計算しても1つの集落に78人ほどしか生活していないことになる。1家族が平均6人とすると13家族が1集落となる。それだけに集落単位の結束は強く、また部族の結束の強さに繋がっている。ソロモン諸島の人々が好んで使う言葉に「ワントク(wan-toku)」がある。簡単に言えば「同じ言葉を話す仲間」の意味で、それゆえにお互い助け合うのが当然、分かち合うのが当然という意味が含まれている。ワントクなら無償で協力しなければならない。

英国の統治下にあったことで住民の95%以上がキリスト教徒だが、伝統的な風習も根強く残っている。一族の年長者を尊敬する風習はそのまま今日に引き継がれており、また、年長者はいわゆるビックマンとしてあらゆる社会階層で重要な役割りを担っている。

観光客向けのショー以外では見られない「出陣の踊り」などの民俗舞踊(外交官、他の枢要な外国人が訪ねるとこのダンスをして迎えてくれる)も、地方では現在も行われており、一部には伝統的な頭蓋崇拝などの風習も残っている。

国歌

《God Save Our Solomon Islands》
God bless our Solomon Islands from shore to shore Blessed all our people and all our lands With your protecting hands Joy, Peace, Progress and Prosperity That men shall brothers be, make nations see our Solomon Islands, our Solomon Islands Our nation Solomon Islands Stands forever more.

《神よ、我がソロモン諸島を守り給え》
ソロモンに恵みを
聖なる同胞と地に
神が手の中に
喜び、平和、進歩と繁栄
民はこの地を変えん
我がソロモン諸島
この地は永久なり