台湾断交後のソロモン情勢

2019年09月23日

ソロモンのメデイアによれば、16日、ソロモン政府が台湾と断交し、中国と外交関係に入ったことを受けて、翌17日以降、マライタ州の首都アオキにおいて、住民が36年間支援をしてくれた台湾と断交したことに反対して抗議活動を起こしている。住民たちは、今回の政府の決定はソロモン国民の声とはかけ離れており、国民の利益にならないと指摘し、特に中国が来るとソロモンの天然資源を根こそぎ持ってゆくであろうし、ソロモンの伝統的な文化まで壊される危険性があり、その上台湾が創出してくれたソロモン人の雇用も駄目になる可能性があるとして、政府に対し台湾断交を見直そうと要求している。(かかる動きを注視する必要がある)

他方、今回のソロモンの決定に不満の米国のペンス副大統領は、国連総会中に会談を申し入れていたソロモンのソガバレ首相の要請を拒否。そしてコリーガードナ―上院議員は、今次ソロモンの決定は「非常に理解しがたい」として、同議員を含む超党派議員は「台北法」案を議会に提出し、即刻可決する様求めている。同法案は、台湾の国家承認、台湾と世界各国の非政府機関間交流を求めている。

いずれにしても、ソロモンに続いて間髪入れずキリバスまで南太平洋の島嶼国が中国寄りになったことは、中国の南太平洋までの進出を可能にし、これは米国、豪州のみならず日本の資源ルートに影響を及ぼす死活問題となる可能性があり、軽々に考えるべき問題ではない。