ハドソン・カラエダ氏による講演の報告
7月14日、日本ソロモン友好協会は、予定通り、練馬区教育委員会の支援のもとで、ソロモン諸島国からの元留学生ハドソン・カラエダ氏(現在埼玉の中学校で英語を指導)を石神井公園文化センターに招致して講演を実施しました。概要は以下の通りですが、講演内容、質疑応答の内容から言って、本講演会は成功であったと言えます。またかかる機会を設けたいと企画しています。
テーマは、「日本語と外国語及びソロモンの紹介」でした。今回は豪州に留学しているハドソン夫人も来日していたこともあり、ハドソン氏と共に講演会に出席して貰い、日本の印象などを語ってもらいました。出席者の多くは女性でした。
ハドソン氏は、まず、パソコンを使ってソロモンの生活・文化について視覚を通して紹介・説明をし、次いで日本での生活、日本人の外国語への取り組み方などについて感ずるところを語っていました。 ハドソン氏と共に講演会に出席
出席者の反応は講演は大変楽しかったと極めて良く、ソロモンは大方の出席者にとっては未知の国ということもあって、一度行ってみたいとして同国の生活・慣習などについての質問が矢継ぎ早にでるなど活発なやり取りが行われました。他方日本の英語教育については変えてゆく必要があると感じたという声が多く出ました。
講演内容で印象的であったことは、ハドソン氏は「日本は確かに近代化が進み、便利な生活をすることが出来る。しかし、自分は、電車も地下鉄もないソロモンが大好きである。というのは語りつくせないほどの自然があり、野菜、果物、魚など日本のように店に買いに行かなくても悩まず簡単に入手できるし、ゆっくり流れる時間の中でリラックスした生活が出来るからである。」と述べていたことです。日本が近代化・都市化に盲目的に走ったため多くの良い文化・自然を失った日本に対する強烈な皮肉のように聞き取れました。
他方、「日本で英語を教えていて感ずることは、かなり出来る生徒だなあと感じていても、周りのレベルに合わせてしまい、伸びる能力を抑えてしまっている生徒の態度に歯がゆさを感ずる。それは何故なのか、日本人の国民性なのかと自問自答している」ということでした。このことは、例えば、現在は少なくなったと思われるが、海外教育を受けて日本に帰ってきた子供たちに対し、学校の教師や生徒までが、語学の出来るかかる生徒に外国に行っていたというだけで嫌がらせ、あるいは陰湿ないじめをし子供を押さえつけたケースが多く見られた事例を思い起こさせました。
とは言え、ハドソン氏は仕事をしながら日本での生活を大いに楽しんでいるように見えました。
(2007/07/14)