絵画の靖国神社への奉納

上記油絵は、大東亜戦争中、パプニューギニアの豪州軍の捕虜収容所に収監された日本軍将兵が、収容所の管理にあたっていた豪州空軍パイロットのロナルド　ウイリアム　マクドナルド（Ronald Wiiliam Mcdonald)軍曹との間に芽生えた友情の印として、同軍曹に寄贈したものです。

しかしながら、同軍曹は、１９４３年１１月３日、日本軍との空戦により戦死したため、この絵は長らく彼の友人で、現在豪州キャンベラに住むロッド　ジャフレイ〈Rod Jaffray〉氏の手元にあったが、彼は現 在末期ガンにおかされていることもあり、生きている間に是非この絵を作者または親族に返却したいと希望し、その方途を模索してきたところ、この希望が、豪州の友人（外交官）を通じ、同氏と交流がある日本・ソロモン友好協会に伝えられ、是非とも作者を探して欲しい旨依頼されました。

この絵に残された作者名は、Toshio NAKANISHIで、同じく収容所に収監されていた彼の戦友,K.Takegawa, J.Yamasaki, M.Goto,N.Nishimura, J.Nakata, Y,Kawanoの名前も併記 されています。

以上の依頼を受けた友好協会としては約１年、厚生省等諸機関の協力を得て手を尽くして探したものの、遺憾乍らこれらの名前を見つけるまでには至りませんでした。

しかしながら、今回、幸いなことに靖国神社のご理解とご厚意を得たことにより、この絵が神社に奉納されることになり、平成３０年９月１３日、豪州の友人とともに日本・ソロモン友好協会を通じ靖国神社に奉納されました。奉納に当たっては、荘厳な静寂の中、神社の本殿において神式で祈りを捧げる中この絵が奉納され、ここにこの絵は多くの英霊が祀られる靖国神社に落ち着く場所を得ることになりました。

協力を求められた友好協会としても胸をなでおろしている次第です。

なお、この絵の保有者であったロッドジャフレイ氏は、豪州の友人の奥さん（Mrs Amy Mai Watts)の叔父にあたります。